日本人の死亡三大疾病要因であるがん、心筋梗塞、脳卒中の内、がん治療に「オプジーボ(ニボルマブ)」という画期的な抗がん剤が登場し、大きな期待を集めています。
そこで、オプジーボの効果がどれほど素晴らしいものなのかや費用や保険適用の可否、可能な限り実施病院についてもご紹介したいと思います。
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従来のがん治療では、手術・化学療法・放射線治療があり、第4の治療法として「がん免疫療法」があり、この治療に使用されるのが、小野薬品の「オプジーボ」という抗がん剤です。
ご存知のように、手術と放射線治療は早期にがんが発見された患者に対する局所治療法であり、がんの発見が遅れ、転移があって手術ができない患者には、これまで化学療法による全身治療が行われていました。
又、化学療法の場合は、副作用の問題も大きなリスクとなっていますね。
この免疫療法というのは、早期治療ではなく化学療法のような全身治療の一つとして加わったものなのです。
今後は、このがん免疫薬によって全身治療による生存率が大幅に上がれば、ますます評価が高まって、この免疫療法が全身療法では第1選択の治療法になるといわれています。
しかも、将来的には局所治療の領域にも入り込める可能性もあるそうです。
オプジーボによる治療効果については、アメリカでの治験においては、肺がん、前立腺がん、大腸がん、腎細胞がんなどの固形がんおよびメラノーマ(悪性黒色腫)を対象にした試験で有効例が多く認められたそうです。
特に、メラノーマや腎細胞がんでは、がんの消失や縮小した人の割合が30%近くあったり、1年以上の長期間再発のない患者もいたとのことです。
日本でも、小野薬品が非小細胞肺がん、腎細胞がんの患者を対象に、安全性を調べるフェーズⅠ試験を行い、高い効果が認められたそうです。
この「オプジーボ」は、2014年7月にメラノーマを対象に世界に先駆けて日本で承認され、同年9月にはアメリカでも承認されました。
又、肺がんについても、アメリカですでに試験を終えて優先審査が行われているそうですので、承認されるのは時間の問題でしょう。(現在承認されています。)
その後、2017年9月には、胃がんについても適用されることが発表されています。
ところで、医学用語ばかりでは私も含め一般人にはなかなか理解に苦しむと思いますので、この「オプジーボ」の働きを簡単に説明すると次のようになると思います。
①がん細胞は、PDー1というたんぱく質を使って、本来の免疫細胞にブレーキを掛けてしまう。
②しかしこの「オプジーボ」は、①の抑制能力を解除する働きがり、本来の免疫細胞が活性化することで、がん細胞を攻撃することができる。
更にオプジーボの良い点は、単独でもよく効く薬だが、ほかのがん免疫薬と併用すると、治療成績が更に向上するということも実証されているそうです。
以上の事でもわかりますが、正にこの「オプジーボ」は夢の治療薬といえそうですね。
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オプジーボによる治療費は保険適用は?
いいことづくめのこの「オプジーボ」の治療費ですが、保険適用外のため高額になってしまうことです。
病状の程度にもよりますが、患者一人当たりの年間治療費は、平均で3200万円くらいといわれています。
1か月の治療費は平均266万円くらい、1年間治療すれば合計で3192万円、諸費用も含めれば
これ以上の高額な費用を負担しなくてはいけません。
なぜこの薬が高額かというと、製薬会社では何千億円という研究開発費を投入しているからです。
ただし、医療費控除はできます。
どこの病院も一律料金ということはないでしょうから、治療を受けたい場合は病院とよく話をされるのが良いでしょう。
そして朗報です!
このオプジーボ治療ですが、高額療養費制度の対象になりました。
保険適用により、患者さんの所得により負担額は違いますが標準的な所得の方は、月の負担額は何と「8万円」の負担で済むことになります。
このオプジーボに限らず、がん治療においては他の薬も同じように高額ですが、明らかに違う点は、他の薬は効果を発揮できる時間が非常に短いのに対し、「オプジーボ」にはがん細胞が全部あるいは部分的に消失させる効果を示し、事実そういう患者が多数いるということです。
更に朗報です!
厚生労働省は10月28日、2017年度にオプジーボの薬価を25%超値下げする方向で検討に入りました。
11月9日に開く厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)に具体案を示して議論するそうです。
厚労省はこれまで、2017年4月の値下げ幅は最大でも25%にとどめ、2018年4月に追加で引き下げる2段階の実施方針を示していたが、欧米での価格が日本の半分以下であることから、早期の引き下げに踏み切ることになったようです。
そして最新情報です!
11月9日、政府は本年度中にもオプジーボを含む高額薬の薬価を50%引き下げることで最終調整に入りました。
厚労省は、11月16日に開く中央社会保険医療協議会(中医協)の会合で値下げを提案するとのことです。
このことから、オプジーボの価格が現行の価格の半額となることが決定となりましたね。
更に2018年3月5日の情報です。
厚生労働省の官報によりますと、オプジーボの2018年度薬価が現行の100mg当たり365,000円から278,000円に引き下げられることが決定しました。
徐々に価格が下がってきていますね。
高額医療費に苦しむ多くの患者さんが、一人でも多く利用できるようになればいいですね。
ただし、オプジーボ」に課題が無いわけではありません。
確かに薬が不要になるほど素晴らしい効果を示す患者がいる一方では、効かない人もいるということは事実です。
これらの対応策としては、より早めにオプジーボを使うとか、前もって治療効果の有無が判定できるマーカーの開発が検討されているそうです。
オプジーボによる治療法を実施している病院は?
次にこの「オプジーボ」を使ってがん治療をしている病院の紹介ですが、現在化学療法等を行っている病院であれば、オプジーボ治療ができる可能性があると思いますので、先ずはお住まいの近くの病院に問い合わせてみることをお勧めします。
少しピックアップしておきます。
*国立がんセンター中央病院 03-3542-2511
*東京MITクリニック 03-6225-2452
*湘南メディカルクリニック新宿院 0120-798-300
*西新宿中央病院 025-265-3171
*信州大学医学部付属病院 0263-35-4600
それでは、最後までお読みいただき有難うございました。
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